目の乾きやゴロゴロ感、放置すると将来の医療費がかさむ?データで見るドライアイのリスクと家計を守る習慣
目の乾きやゴロゴロ感、もしかしたら「ドライアイ」かもしれません
日々のPC作業やスマートフォンの使用時間が増える中で、「目が乾く」「ゴロゴロする」「なんだか見えにくい」といった目の不快な症状を感じていらっしゃる方は少なくないかと存じます。これらの症状は、もしかすると「ドライアイ」かもしれません。
ドライアイは、涙の量や質が低下することで目の表面が乾燥し、様々な不快な症状を引き起こす疾患です。単なる不快感と軽視されがちですが、放置すると目の健康を損ない、将来的に思わぬ医療費負担につながる可能性があります。
健康診断で複数の指摘を受け、将来の病気や医療費にご不安をお持ちの皆様にとって、目の健康もまた、見過ごせない重要なテーマです。目の健康を守る習慣を身につけることが、将来の医療費を節約し、家計を守ることにもつながります。
ドライアイを放置するリスクと将来の医療費
ドライアイは、目の表面を保護する涙のバリア機能が損なわれる状態です。これにより、以下のようなリスクが高まります。
- 目の不快症状の悪化: 乾き、充血、異物感、かゆみ、痛み、まぶしさなどが慢性化し、日常生活の質(QOL)を著しく低下させます。
- 目の表面の損傷: 涙による保護がないため、角膜や結膜に小さな傷がつきやすくなります。
- 感染症のリスク増加: 傷ついた目の表面から細菌やウイルスが侵入しやすくなり、角膜炎や結膜炎といった感染症を引き起こすリスクが高まります。
- 視力への影響: ドライアイが進行すると、目の表面の凹凸が生じたり、炎症が起きたりすることで視力低下を招く可能性があります。また、眼精疲労や頭痛の原因にもなり得ます。
- コンタクトレンズ使用者のリスク: コンタクトレンズを使用している場合、ドライアイはより深刻な問題となりやすく、角膜障害などのリスクが増大します。
これらのリスクが高まることは、そのまま医療費の増加に直結します。
- ドライアイ治療の継続費用: ドライアイの治療には、人工涙液やヒアルロン酸点眼薬、症状に応じた抗炎症点眼薬などが処方されるのが一般的です。これらの点眼薬は多くの場合、長期的に使用する必要があり、医療機関での定期的な診察も必要となるため、継続的な費用負担が発生します。例えば、一般的な点眼薬と定期的な診察にかかる費用は、月額数千円程度になることが考えられます。
- 合併症治療にかかる費用: ドライアイを放置した結果、角膜炎や結膜炎などの感染症を発症した場合、より強力な点眼薬の使用や、症状によっては内服薬の服用、さらに重症の場合は入院や手術が必要となる可能性も否定できません。厚生労働省の統計データや医療経済の試算によれば、角膜疾患で入院した場合、治療期間や費用は数十万円から、場合によっては百万円を超えることも考えられます。(これらの数値はあくまで目安であり、個々の病状や治療内容、医療機関によって大きく異なります。)
- QOL低下による間接的な影響: 目の不快感や視力低下は、集中力の低下や疲労感につながり、仕事の効率を下げるだけでなく、精神的な負担となることもあります。また、視覚機能の低下が転倒などの事故リスクを高め、間接的に医療費や介護費用につながる可能性も考慮すべきでしょう。
このように、「たかが目の乾き」と軽視せず、適切な対策を講じることが、目の健康維持だけでなく、将来の医療費負担を抑えることにもつながるのです。
健康と家計を守るためのドライアイ改善習慣
では、将来の医療費を増やさないために、どのような習慣を身につければ良いのでしょうか。経理職としてPC業務が多い皆様も、無理なく実践できる具体的な対策をいくつかご紹介します。
-
PC・スマホ使用時の工夫:
- 意識的に瞬きを増やす: 画面に集中していると瞬きの回数が減りがちです。意識的にパチパチと瞬きをするように心がけましょう。
- 休憩をこまめに取る: 1時間作業したら10分~15分程度目を休ませるのが理想です。「20-20-20ルール」(20分作業したら20フィート(約6メートル)先のものを20秒見る)も効果的です。
- 画面との距離と角度: 画面を少し見下ろす角度にし、目から40~50cm程度離して作業しましょう。
-
生活環境の改善:
- 室内の湿度を保つ: エアコンや暖房を使う時期は特に空気が乾燥します。加湿器を使用したり、濡れタオルを干したりして湿度を50~60%に保つように努めましょう。
- エアコンやファンの風に直接当たらない: 風が直接目に当たると涙が蒸発しやすくなります。席の配置などを工夫しましょう。
-
セルフケア:
- 目を温める: 濡らしたタオルを軽く絞って電子レンジで温め(やけどに注意)、まぶたの上に数分乗せると、涙を分泌するマイボーム腺の働きを助け、涙の質を改善する効果が期待できます。市販のホットアイマスクなども活用できます。
- まぶたを清潔にする: 朝晩、石鹸などを使い、まぶたの縁を優しく洗うことで、マイボーム腺の詰まりを防ぐことができます。専用のアイシャンプーなども市販されています。
-
その他:
- 十分な水分補給: 体全体の水分不足は涙の量にも影響します。意識的に水分を摂るようにしましょう。
- バランスの取れた食事: 特に、涙の成分に関わるオメガ3脂肪酸(魚類や亜麻仁油などに豊富)やビタミンA(緑黄色野菜などに豊富)を意識して摂取することが推奨されています。
- 適切な点眼薬の使用: 目が乾くからといって、市販の目薬を自己判断で多用するのは避けるべきです。防腐剤などが含まれている場合、かえって症状を悪化させる可能性もあります。人工涙液など、医師や薬剤師に相談して適切なものを選びましょう。
無理なく続けるためのヒントと長期的なメリット
「過去に健康法を試したが続かなかった」という経験をお持ちかもしれません。健康習慣を続けるためのヒントをいくつかご紹介します。
- 小さな一歩から始める: 一度に全てを変えようとせず、「毎時間PC作業の後に数回瞬きをする」や「寝る前に目を温める」など、一つか二つの習慣から無理なく取り入れてみましょう。
- 習慣化の仕組みを作る: PCのそばに「瞬き!」と書いた付箋を貼る、休憩時間をアラームで知らせるなど、忘れずに実行するための工夫をしてみましょう。
- 記録をつける: 目や体の調子を簡単にメモしておくと、改善を実感しやすくモチベーション維持につながります。
- 目標を共有する: ご家族や職場の同僚に「目の健康のためにこれをやってるんだ」と話すことで、良いプレッシャーになり、継続しやすくなります。
これらの習慣を継続することで、目の不快症状が改善され、日々の生活の質が向上するだけでなく、角膜炎などの重篤な合併症を防ぎ、将来の医療費負担を軽減することが期待できます。目の健康への「小さな投資」が、長期的に見れば家計に大きな安心をもたらすのです。
まとめ
目の乾きやゴロゴロといったドライアイの症状は、放置すると目の病気リスクを高め、将来の医療費増加につながる可能性があることをご理解いただけたかと存じます。
しかし、ご自身の目の状態に関心を持ち、PC作業時の工夫、生活環境の改善、適切なセルフケアなどを日々の習慣として無理なく取り入れることで、リスクを減らし、目の健康を維持することは十分に可能です。
もし症状が続く場合やご不安な場合は、眼科専門医にご相談されることをお勧めします。専門医による適切な診断とアドバイスを受けることが、最も確実な健康への投資であり、結果的に将来の家計を守る賢明な選択となるでしょう。今日から目の健康習慣を始め、健やかで安心できる未来を目指しましょう。