健康診断で「脂肪肝」と指摘されたら要注意!将来の医療費を増やさないための習慣
健康診断での「脂肪肝」指摘、見過ごしていませんか
健康診断の結果で「脂肪肝」と指摘され、漠然とした不安を感じていらっしゃる方もおられるかもしれません。特に、目立った自覚症状がない場合、「少しくらい大丈夫だろう」と軽く考えてしまうこともあるかもしれません。
しかし、脂肪肝は放置すると、将来的に深刻な病気につながり、思わぬ医療費負担が発生するリスクを抱えています。日々の健康習慣は、現在の体調だけでなく、将来の家計にも大きく影響を及ぼす可能性があるのです。この記事では、脂肪肝の放置リスクと将来かかるかもしれない医療費、そして今日から無理なく始められる改善習慣について解説いたします。
脂肪肝が将来招く病気リスクと医療費
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が溜まりすぎた状態を指します。アルコールの飲み過ぎが原因の場合もありますが、近年増加しているのは、アルコールとは関係なく、食べ過ぎや運動不足などによる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)です。
NAFLDの多くは良性ですが、中には非アルコール性脂肪肝炎(NASH)へと進行することがあります。NASHは肝臓に炎症が起きている状態で、これを放置すると肝臓が硬くなる肝線維化が進み、最終的には肝硬変や肝がんに至る可能性があります。
これらの病気は、進行するとQOL(生活の質)を著しく低下させるだけでなく、治療に高額な医療費がかかることが少なくありません。
例えば、進行した肝硬変では、食道静脈瘤や腹水、肝性脳症などの合併症の治療が必要となり、入退院を繰り返すケースも出てきます。肝がんの場合、手術、抗がん剤治療、放射線治療など、様々な治療法がありますが、いずれも費用負担は小さくありません。厚生労働省のデータなどを見ると、がんで入院した場合の自己負担額は平均で数十万円、外来治療や高額療養費制度を利用した場合でも、継続的な通院や薬剤費がかかります。肝移植に至っては、数千万円という費用がかかる場合もあり、高額療養費制度や医療費助成制度があっても、全額自己負担ではないにせよ、経済的な負担は非常に大きくなります。
また、病気の治療そのものにかかる直接的な医療費だけでなく、通院のための交通費、付添いの家族の負担、そして病気によって仕事ができなくなることによる収入の減少といった間接的な経済的負担も無視できません。
脂肪肝を早期に改善することは、これらの深刻な病気への進行を防ぎ、結果として将来的な医療費や経済的な不安を軽減することにつながるのです。
将来の医療費削減にもつながる脂肪肝改善習慣
では、脂肪肝を改善し、将来の医療費を抑えるためには、どのような習慣を身につければ良いのでしょうか。読者ペルソナの方々が過去に健康法が継続できなかった経験があることを踏まえ、ここでは無理なく、日常生活に取り入れやすい具体的な方法をいくつかご紹介します。完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ、段階的に始めることが継続の鍵となります。
1. 食生活の工夫
脂肪肝の最大の原因の一つは、摂取カロリーの過多や栄養バランスの偏りです。特に糖質や脂質の摂りすぎに注意が必要です。
- 食べる順番を意識する: 食事の際は、まず野菜や海藻類、きのこ類から先に食べるようにしましょう。これにより血糖値の急激な上昇を抑え、満腹感を得やすくなります。
- 主食の量を調整する: 白米やパン、麺類といった主食の量を少し減らしてみましょう。例えば、普段のお茶碗より一回り小さいものに変えてみる、麺類は半分にするなど、無理のない範囲で始めます。
- 甘い飲み物やお菓子を控える: 清涼飲料水やジュース、お菓子に含まれる果糖や砂糖は脂肪として蓄積されやすいため、できるだけ控えるようにします。無糖のお茶や水を選ぶ習慣をつけましょう。
- 脂質の多い食事を減らす: 揚げ物やジャンクフード、肉の脂身などは控えめにします。調理法を「揚げる」から「焼く」「蒸す」「茹でる」に変えるだけでも、摂取する脂質の量を減らせます。
- バランスの取れた食事: 特定のものだけを食べるのではなく、主食、主菜(肉、魚、卵、大豆製品)、副菜(野菜、きのこ、海藻類)を揃えるように心がけましょう。
2. 運動習慣を取り入れる
運動は、肝臓に溜まった脂肪を減らすのに有効です。しかし、「運動する時間が取れない」「疲れるのが嫌だ」と感じる方もいらっしゃるでしょう。まずは、「特別な運動」と考えずに、日々の活動量を増やすことから始めましょう。
- 座っている時間を減らす: PC業務が多い方は、定期的に立ち上がって軽くストレッチをする、職場の休憩時間に少し歩くなど、座りっぱなしの時間を意識的に減らします。
- 「ながら運動」を取り入れる: テレビを見ながら足踏みをする、CM中にスクワットやかかと上げをするなど、何かをしながらできる簡単な運動を取り入れてみましょう。
- 通勤時間を活用する: 一駅手前で降りて歩く、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使うなど、通勤の機会を運動時間に変えます。
- 散歩をする: 天気の良い日に近所を15分程度散歩するだけでも効果があります。気分転換にもなり、ストレス軽減にもつながります。
大切なのは、毎日続けることよりも、「できる日にやる」「少しずつ負荷を上げる」という考え方です。週に数回でも、10分程度でも、体を動かす習慣をつけることが重要です。
3. アルコールとの付き合い方を見直す
アルコール性脂肪肝だけでなく、非アルコール性脂肪肝の方も、アルコールの摂取は肝臓に負担をかけます。
- 休肝日を設ける: 週に1〜2日はアルコールを摂らない日を作りましょう。
- 適量を心がける: 飲む量を減らすことも重要です。ご自身の適量を見直し、飲み過ぎないように意識します。
4. 継続のためのヒント
これらの習慣を継続するためには、いくつかの工夫があります。
- 目標を小さく設定する: 最初から大きな目標を立てるのではなく、「今日は一駅歩いてみよう」「甘い飲み物は週に1回だけにしよう」など、達成しやすい小さな目標から始めます。
- 記録をつける: 食事内容や運動内容を簡単にメモしたり、体重や腹囲を定期的に測ったりすることで、変化を実感しやすくなり、モチベーション維持につながります。
- 誰かと一緒に行う: 家族や友人と一緒にウォーキングをするなど、誰かと一緒に行うことで楽しく続けられることがあります。
- 無理な日は休む: 体調が悪い日や、どうしてもやる気が起きない日は無理せず休みましょう。「休んでしまった」と落ち込むのではなく、「また明日から頑張ろう」と気持ちを切り替えることが大切です。
まとめ:健康への投資が将来の家計を守る
健康診断で脂肪肝を指摘されたことは、ご自身の生活習慣を見直し、将来への健康投資を始める良い機会です。放置すれば、肝硬変や肝がんといった深刻な病気につながり、多大な医療費や経済的負担を招く可能性があります。
しかし、早期に生活習慣を改善することで、脂肪肝は改善に向かい、これらのリスクを大きく減らすことができます。ご紹介した食生活の工夫や運動習慣は、どれも今日から無理なく始められるものばかりです。
健康への小さな努力は、短期的な体調改善だけでなく、長期的な視点で見れば、将来の医療費削減という形で家計を守ることにもつながります。ご自身の体と家計、双方のために、できることから一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。